習字を習った人は
日本人は古くから文字を書く際に、筆を用いる毛筆を利用してきました。この文化は非常に古く、現在においても、手紙や年賀状といったものを書く際に毛筆を使用するという人は少なくありません。 しかし、比較的若い世代の人は、日常的に毛筆を使用するという機会はほとんどなく、学校教育においても毛筆を教える授業は非常に短い時間に限られています。 しかし、この筆で文字を書くということは、日本人が用いるひらがなや漢字を書くために非常に合理的なものとなっており、筆の運び方はそのまま鉛筆やボールペンで文字を書く際にも利用されているものとなっています。 したがって、毛筆をきれいに書くことができれば、筆記具が変わっても、きれいな字を書くことができることにつながります。 そのため、小さい頃から習字を習うという人は多く、漢字やひらがなを書くときに基本的な筆の使い方を理解することで、普段の筆記にも有効に活用することが可能となります。 習字を習った人は、その技術に応じて級や段といった技術の評価が取得できますが、こうした技術の中で特に毛筆に特化した検定に、毛筆書写検定と呼ばれるものがあります。これは財団法人日本書写技能検定協会が実施する検定で、その技術や知識に合わせて5級から1級までのランクに分けられています。 美しい文字を書く技能検定はもちろんのこと、文字に関する知識も必要となるため、より高度なランクになると、古文の読み取りや誤字の修正、また書道用語や書道史といった分野にまで広く精通している必要があります。 毛筆書写に関する唯一の客観的技術資格としても活用することができるため、履歴書などにも記載することができるのも特徴です。 また、1級に合格すると、その技術から優秀な指導者としての認定にもなることから、書道教室を開業することができる資格にもなり、職業的なスキルとしても有効に活用することができるのも大きな特徴の一つとなっています。